【FPが教える】保険会社別「死亡保障」の賢い比較方法!あなたに最適な保険を見つける4つの視点
はじめに:死亡保障は「家族への愛」と「経済的な責任」
家族を持つ方にとって、死亡保障は単なる保険ではなく、「万が一の時、愛する家族の生活を守り抜く」という経済的な責任を果たすための重要なツールです。しかし、生命保険会社は数十社あり、定期保険、終身保険、収入保障保険と種類も多岐にわたるため、「どう比較したら良いか分からない」「結局どこが一番コスパが良いの?」と迷ってしまう方がほとんどです。
保険会社を比較する上で最も大切なのは、**「あなたの家族に必要な保障額と期間」に合わせた商品を、「最も効率よく、安価に」**選ぶことです。
この記事では、保険のプロも実践する死亡保障の賢い比較方法を、保険のタイプ別、保険料・貯蓄性別など4つの視点から徹底解説します。この記事を読めば、あなたは自信を持って最適な保険会社を選び、家計に優しい安心を手に入れられるようになるでしょう。
1.まず決める!「必要な死亡保障の3つの基本タイプ」を比較する
保険会社ごとの商品比較に移る前に、まずはご自身の目的に合った「死亡保障のタイプ」を決めましょう。
死亡保険のタイプ | 保障期間 | 貯蓄性 | 保険料の傾向 | 最も適した目的 |
定期保険 | 一定期間(例:60歳まで) | ほぼなし(掛け捨て) | 最も安い | 現役時代の教育費・住宅ローンなど、特定の期間に大きな保障が必要な場合 |
終身保険 | 一生涯 | あり(解約返戻金) | 高い | 葬儀費用、相続対策など、必ず必要となる資金の準備と貯蓄性 |
収入保障保険 | 一定期間(逓減型) | ほぼなし(掛け捨て) | 定期保険よりさらに安い | 遺族の生活費として、給与のように毎月受け取りたい場合 |
比較視点A:保障の「期間」と「目的」を明確にする
現役世代(子育て・住宅ローン): 遺族の生活費や教育費など、高額な保障が必要なのは60歳までなど「一定期間」です。この場合は、**「定期保険」または「収入保障保険」**から比較をスタートしましょう。
老後・葬儀費用: 貯蓄も兼ねて、一生涯の保障が欲しい場合は**「終身保険」**を比較の対象にします。
2.保険会社別比較の核心!「保険料とコスパ」を徹底比較する
保険会社間の競争が激しい死亡保障において、最も大きな比較ポイントは、「同じ保障内容でどれだけ保険料が安いか」、つまり**コストパフォーマンス(コスパ)**です。
比較視点B:ネット系 vs 大手生保の「保険料の差」に注目
比較対象 | 特徴 | 保険料の傾向 | 比較すべき主な商品 |
ネット系・外資系 | 営業コストを削減。Webでの手続きが中心。 | 割安。特に定期保険・収入保障保険のコスパが良い。 | SBI生命、ライフネット生命、オリックス生命、FWD生命など |
国内大手生保 | 対面販売が中心。特約やサービスが充実。 | ネット系に比べるとやや割高になることが多い。 | 日本生命、明治安田生命、住友生命など |
【賢い比較方法】
**「保障額」「保障期間」「被保険者(年齢・性別)」**を統一します。
この条件で、ネット系と大手生保の複数の会社から見積もりを取得し、月払保険料を比較します。
特に、定期保険や収入保障保険では、保障内容がシンプルな分、保険会社ごとの保険料の差が顕著に出やすいため、必ず複数の会社で比較しましょう。
比較視点C:貯蓄性を求めるなら「解約返戻率」を徹底比較
終身保険を比較する際の最重要項目は、**「解約返戻率」**です。
解約返戻率とは: 支払った保険料総額に対して、解約時に戻ってくるお金(解約返戻金)の割合を示す数値。この率が高いほど、貯蓄効率が高いと言えます。
【賢い比較方法】
**「払込期間(例:60歳払済 or 終身払)」と「払込総額」**を統一します。
**老後資金として利用する予定の時期(例:65歳、70歳)**の「解約返戻率」を各社で比較します。
外貨建て終身保険を検討する場合は、円ベースの返戻率と為替リスクをセットで比較し、為替手数料の安さもチェックしましょう。
3.保険会社を横断する「特約・カスタマイズ性」の比較
基本の死亡保障に加え、保険会社が提供する**「特約(オプション)」や「付帯サービス」**を比較することで、よりあなたのニーズに合った商品を見つけることができます。
比較視点D:「三大疾病・介護」特約の付加価値とコスト
多くの保険会社では、死亡保障に以下の特約を付加できます。
三大疾病・特定疾病保障: 死亡する前に、がん・急性心筋梗塞・脳卒中などで所定の状態になった場合、保険金が支払われます。
介護・認知症保障: 介護状態や認知症と診断された場合に給付金が支払われます。
【賢い比較方法】
「特定状態の定義」の広さ: 例えば、三大疾病特約は「入院」で支払われるか、「手術や所定の状態」でのみ支払われるかなど、給付条件の厳しさを比較します。条件が緩いほど、保険料は高くなりますが、保障が手厚いと言えます。
特約の保険料: 特約をつけた場合の月々の保険料の増加額を比較し、そのコストに見合う保障内容かを判断しましょう。
比較視点E:保険料を払えない時の「特別なサービス」の比較
非常時の対応や、保障の柔軟性も、会社選びの重要な要素です。
リビング・ニーズ特約: 多くの会社で無料付帯されますが、余命6か月以内と判断された場合に、生前に死亡保険金の一部を受け取れる特約です。
払済・減額の柔軟性: 家計が苦しくなった際に、**保険料の支払いを停止できる「払済保険」**への移行や、保障額を減額して保険料を下げるなどの柔軟な対応ができるかを確認しましょう。
4.比較を始める前に!「必要保障額」の算出方法
保険会社を比較する前に、そもそも**「いくらの死亡保障が必要なのか」**を知らなければ、最適な商品は選べません。以下の計算式で、目安となる必要保障額を算出しましょう。
項目 | 具体的な内容 |
遺族のこれから必要なお金(支出) | 毎月の生活費(遺族年金除く)、子どもの教育費、住宅ローン残債、葬儀費用など |
遺族がこれから得られるお金(収入) | 遺族年金(公的年金)、配偶者の収入、預貯金・退職金、団体信用生命保険によるローン残債ゼロ化など |
【注意点】
遺族年金: 公的年金制度から支払われる「遺族年金」は、非常に大きな収入源です。これを計算に入れずに保障額を決めると、過大な保障となり、無駄な保険料を払い続けることになります。必ず、年金事務所などで受給見込み額を確認しましょう。
住宅ローン: 団体信用生命保険に加入していれば、契約者が死亡した時点でローン残債がゼロになるため、住宅ローン分の死亡保障は不要になります。
まとめ:死亡保障の比較は「目的とコスパ」が全て!
保険会社別の死亡保障を賢く比較するための鍵は、以下のステップで絞り込むことです。
**「いつまで」「何のために」**保障が必要か(定期・終身・収入保障)を明確にする。
ネット系と大手生保の**「月払保険料」**を、同じ条件で徹底比較し、コスパを追求する。
終身保険の場合は**「解約返戻率」**のピークを比較し、貯蓄効率が高い会社を選ぶ。
**「三大疾病特約の給付条件」や「非常時の対応」**など、付加価値の比較で最終決定する。
死亡保障の比較は時間がかかる作業ですが、ここで得た知識と労力が、あなたの家計を助け、家族の未来を確かなものにすることに繋がります。ぜひ複数の保険会社の商品を比較し、あなたにとって最適な「安心」を手に入れてください。