子どもが独立するまでの保障設計:死亡保障と医療保険の賢い選び方 👨👩👧👦
お子さんが経済的に自立するまでの期間は、人生で最も手厚い保障が必要な時期です。この期間の保障設計は、**「万一のことがあっても、子どもの生活と教育を中断させない」**という視点に立って行う必要があります。
このステージでは、**「高額な死亡保障」と「家族全員の医療保障」**を、保険料負担を抑えながら確保することが重要です。
1. 最優先課題:遺された家族の生活を守る「死亡保障」
子どもが独立するまでの期間は、一家の働き手(主に世帯主)に万一のことがあった場合の**「生活費+教育費」をカバーするための高額な死亡保障**が不可欠です。
1-1. 収入保障保険を最優先に検討する
この時期の死亡保障として、最も合理的で保険料負担の少ないのが収入保障保険です。
保障額が自動で逓減: 死亡時に**「毎月一定額の給与」**のように保険金が支払われるため、遺された家族は安定した生活費を確保できます。保障額は、時間が経つにつれて(子どもの独立が近づくにつれて)自動的に減っていく仕組みのため、保険料が割安に設定されています。
必要な額を計算: 必要な保障額は、「現在の生活費」から「遺族年金などの公的保障」や「現時点の貯蓄」を差し引いた不足分を目安に計算します。高額な死亡保障を、子どもが独立する18歳または22歳までの期間に限定して設定しましょう。
掛け捨て型を選ぶ: この期間の死亡保障は、貯蓄性を求めず**「掛け捨て(定期型)」**を選ぶことで、保険料負担を最小限に抑えられます。
1-2. 教育資金の確保
死亡保障とは別に、子どもの教育資金を別途確保しておく必要があります。
貯蓄性の高い資産運用を優先: かつての学資保険に代わり、NISAや積立投資など、保険とは切り離した貯蓄性の高い資産運用を優先的に行うことで、効率よく教育費を準備できます。保険で貯蓄を兼ねると、コストが高くなりがちです。
2. 家族全員の「医療保険」と「保障の選び方」
子育て期は、子どもが病気やケガをしやすい時期でもあります。家族全員が安心して医療を受けられる体制が必要です。
2-1. 夫婦の医療保険は「終身型」を検討
夫婦の医療保険は、保険料が最も安い若いうちに、一生涯保障が続く終身型で加入し、60歳や65歳で**払い込みを終える(払済)**プランを検討しましょう。
老後の負担をゼロに: これにより、定年後の無収入期に保険料を支払う必要がなくなり、将来の家計負担を大幅に軽減できます。
保障内容はシンプルに: 日額5,000円程度の入院給付金と、高額な治療に備える先進医療特約のみに絞ることで、保険料を抑えられます。
2-2. 子どもの医療保障は「公的制度」と「特約」で対応
子どもの医療費は、**公的な制度(乳幼児・子ども医療費助成制度)**でカバーされる部分が大きいため、過剰な保険は不要です。
共済や親の特約で対応: 死亡保障や医療保険の特約として、子どもが入院や手術をした場合の少額の保障を付加するか、割安な県民共済などでケガや病気の補償を確保する程度で十分です。
3. 保障設計の「見直し」と「軽減戦略」
子どもの成長とともに必要な保障額は減っていきます。定期的な見直しと保険料の軽減策を講じましょう。
定期的な保障額の見直し: 子どもの成長や住宅ローンの残高減少に伴い、収入保障保険の保障額が過剰になっていないか定期的にチェックし、必要であれば減額を検討しましょう。保障額を減らすことで、その分の保険料負担も軽減できます。
保障を卒業する準備: 子どもが独立し、死亡保障の役割を終えるタイミングで、収入保障保険を潔く解約します。その後は、夫婦の終身医療保険と貯蓄で生活の安心を担保する体制に切り替えましょう。
この時期の保険設計は、「備えすぎず、不足せず」というバランスが非常に重要です。貯蓄と公的保障を考慮に入れた上で、万が一の「穴」を埋めることを目指しましょう。