皮膚がんの致死率と予後について
「皮膚がんで死ぬことはありますか?」
この疑問は、皮膚がんの診断を受けた方や、ご家族にとって、最も深刻な不安の一つだと思います。結論から言うと、皮膚がんの種類や進行度によっては、命に関わる場合があります。
しかし、すべてが命に関わるわけではありません。皮膚がんにはいくつかの種類があり、それぞれ予後や治療法が大きく異なります。
皮膚がんの種類と致死率
皮膚がんは、主に以下の3つのタイプに分けられます。
1. 有棘細胞がん(ゆうきょくさいぼうがん)
特徴: 紫外線を多く浴びる顔や手足にできやすいです。早期に発見すれば治療可能ですが、進行するとリンパ節や他の臓器に転移し、命に関わることがあります。
致死率: 比較的低いですが、放置すると危険です。
2. 基底細胞がん(きていさいぼうがん)
特徴: 日本人に最も多いタイプの皮膚がんです。黒いほくろのように見え、ゆっくりと大きくなります。
致死率: 極めて低いです。ほとんど転移しないため、早期に治療すれば完治が期待できます。命に関わることは非常にまれです。
3. 悪性黒色腫(あくせいこくしょくしゅ・メラノーマ)
特徴: ほくろと見分けがつきにくいですが、進行が早く、転移しやすい非常に悪性度の高い皮膚がんです。
致死率: 皮膚がんの中で最も致死率が高いです。早期発見が非常に重要で、進行すると予後が悪くなります。
早期発見と治療が最も重要
皮膚がんの予後は、**「いつ見つけて、いつ治療を開始するか」**によって大きく変わります。
早期発見: ほとんどの皮膚がんは、早期に発見して適切な治療を行えば、完治が可能です。
進行がん: 進行してリンパ節や遠隔転移を起こすと、治療は難しくなり、致死率が高まります。特に悪性黒色腫は、転移すると余命が短くなる傾向にあります。
皮膚がんの兆候
皮膚がんの早期発見のためには、日頃から自分の皮膚の状態をチェックすることが大切です。
ほくろやシミの形・大きさの変化: 境界線が不鮮明、いびつな形、急に大きくなる。
色が不均一なほくろ: 黒、茶色、灰色などが混じっている。
盛り上がりや出血: 潰瘍ができたり、出血したりする。
まとめ:専門医の診断を
皮膚がんで命を落とす可能性は、種類と進行度によります。特に、悪性黒色腫は危険です。
しかし、ほとんどの皮膚がんは、早期に発見し、適切な治療を行えば完治が可能です。少しでも気になるほくろや皮膚の変化があれば、自己判断せずにすぐに皮膚科を受診しましょう。