「夫源病」って何?あなたの不調、もしかしてそれが原因かも?
「なんだか最近、体がだるい…」「頭痛やめまいがひどいけど、病院に行っても原因がわからない」
もし、あなたがそんな原因不明の体調不良に悩まされていて、さらにご主人が定年退職して家にいる時間が増えた、あるいはご主人の言動にストレスを感じているなら、それは「夫源病(ふげんびょう)」かもしれません。
夫源病は、正式な病名ではありませんが、夫の言動や存在が妻にとってストレスとなり、心身に様々な不調を引き起こす状態を指します。この記事では、夫源病の主な症状や危険度をチェックできるシート、そして夫源病かもと感じた時の対策方法まで、詳しく解説していきます。あなたの不調の原因を見つけ、快適な日々を取り戻すためのヒントを見つけましょう。
「夫源病」って、一体どんな病気?
夫源病は、大阪大学名誉教授の石蔵文信医師が提唱した概念で、夫の言動や態度、存在自体がストレスとなり、妻の心身に不調を来す状態を指します。特に、夫が定年退職して自宅にいる時間が増え、夫婦の距離が近くなりすぎたことで発症するケースが多く見られます。
夫源病が起こるメカニニズム
夫源病の背景には、主に以下のメカニズムが考えられます。
ストレスの蓄積: 夫の言動(モラハラ、無関心、家事への不協力、亭主関白など)や、夫が常に家にいることによる閉塞感などから、妻は日常的にストレスを感じ、それが蓄積されていきます。
自律神経の乱れ: 蓄積されたストレスは、自律神経(交感神経と副交感神経)のバランスを乱します。自律神経は、心拍、呼吸、消化、体温調節など、体の様々な機能をコントロールしているため、そのバランスが崩れると全身に不調が現れます。
女性ホルモンの影響: 特に更年期以降の女性は、女性ホルモンの分泌が不安定になりやすく、自律神経の乱れと相まって、より体調不良を感じやすくなります。
夫源病の主な症状
夫源病の症状は多岐にわたり、一つだけでなく複数の症状が同時に現れることも珍しくありません。
身体的症状:
頭痛、めまい、耳鳴り
首・肩のこり、腰痛
動悸、息苦しさ
倦怠感、疲労感
胃痛、便秘、下痢などの消化器症状
不眠、食欲不振、過食
手足の冷え、ほてり、発汗
血圧の変動
精神的症状:
イライラ、怒りやすい
不安感、憂うつ感、気分が落ち込む
集中力の低下
やる気が出ない、無気力
涙もろくなる
【ポイント】
これらの症状は、他の病気でも見られるため、「原因不明の不調」として見過ごされがちです。しかし、夫との関係性や、夫の存在によるストレスと連動して症状が悪化する場合は、夫源病を疑う必要があります。
夫源病危険度チェックシート:あなたはいくつ当てはまる?
以下の項目にいくつ当てはまるかチェックしてみましょう。これはあくまで目安ですが、あなたのストレスレベルを測るヒントになります。
夫が家にいると、ホッとするより疲れる、息苦しいと感じる。
夫の言葉や行動にイライラすることが頻繁にある。
夫の健康状態や将来について考えると、不安になる。
夫がそばにいると、動悸がする、息苦しくなる、頭痛がするなど、身体に不調が出る。
夫に自分の意見を言えない、言っても聞いてもらえないと感じる。
夫が定年退職してから、体調が悪くなった、または不調が悪化した。
夫が何かと口出ししてくる、干渉してくることにストレスを感じる。
【結果の目安】
0〜1個: ストレスは比較的少ない状態です。
2〜3個: ストレスを感じている可能性があります。意識してストレスを軽減する工夫をしましょう。
4〜5個: 夫源病の可能性が高いです。具体的な対策を始めることを強くおすすめします。
6〜7個: 非常に危険な状態です。早急に専門家への相談や、夫との関係性の見直しが必要です。
夫源病かも?と感じたら!今日からできる対策
もし夫源病の可能性があると感じたら、一人で抱え込まず、具体的な対策を始めましょう。
1. 物理的な「距離」を作る
最も手軽で効果的な方法の一つです。
一人の時間を作る: 夫が外出する日を作る、自分から積極的に外出するなどして、物理的に離れる時間を作りましょう。カフェに行ったり、趣味の時間に没頭したりするのも良いでしょう。
家庭内別居も視野に: 極端に聞こえるかもしれませんが、夫婦それぞれが自分の部屋を持ち、プライベートな空間を確保することも有効です。寝室を分けるだけでも、ストレスが軽減されることがあります。
2. 心理的な「距離」を作る
物理的な距離が難しい場合でも、心の持ちようでストレスを軽減できます。
期待しない: 夫に完璧を求めすぎない、変わることを期待しすぎない、という考え方も大切です。期待しすぎると、裏切られた時のストレスが大きくなります。
「ま、いっか」の精神: 夫の言動に対して、いちいち真に受けず、「ま、いっか」「そういう人だから」と受け流す練習をしてみましょう。
夫に無関心になる時間を作る: 夫の一挙手一投足に注意を払うのをやめ、意識的に「夫のことは夫のすること」と割り切る時間を持つことも重要です。
3. コミュニケーションの見直し
夫婦間のコミュニケーションは、ストレスの原因にもなれば、解決策にもなります。
自分の気持ちを伝える練習: 感情的にならず、冷静に「〜されると、私は〜と感じる」というように、I(アイ)メッセージで自分の気持ちを伝える練習をしましょう。
夫婦のルール作り: 定年後の生活であれば、「家事分担」「お互いの趣味の時間」「外出の事前報告」など、新しい夫婦のルールを話し合って決めるのも良いでしょう。
感謝を伝える: 普段言わない感謝の言葉を伝えてみることで、夫の態度が軟化することもあります。
4. ストレス発散方法を見つける
夫との関係以外の部分で、自分の心を満たす時間を作りましょう。
趣味に没頭する: 没頭できる趣味を見つけ、一人の時間を充実させましょう。
友人と会う: 気の置けない友人と会って愚痴を聞いてもらったり、楽しい時間を過ごしたりすることは、最高のストレス解消になります。
運動をする: 適度な運動は、ストレスホルモンの分泌を抑え、気分をリフレッシュさせる効果があります。
専門機関に相談する: 自分一人で抱え込まず、カウンセリングや心療内科など、専門家に相談することも非常に重要です。客観的なアドバイスが得られます。
5. 夫源病を夫に伝える勇気を持つ
夫源病という概念や、自分がその症状に苦しんでいることを、夫に理解してもらうことが根本的な解決につながることもあります。
冷静なタイミングを選ぶ: 感情的にならず、夫が落ち着いて話を聞けるタイミングを選びましょう。
資料を見せる: 夫源病に関する書籍や記事を夫に見せ、「こういう症状で悩んでいる人がいて、私も当てはまる症状がある」と客観的に伝えるのも有効です。
「病気」であることを強調: 「あなたが原因で体調が悪い」と責めるのではなく、「このままでは病気になってしまうから、協力してほしい」と伝えることが大切です。
まとめ:夫源病を理解し、自分を守る一歩を踏み出そう
夫源病は、妻が感じるストレスが原因で心身に不調が現れる、深刻な問題です。もしあなたが原因不明の体調不良に悩んでいて、夫との関係にストレスを感じているなら、この記事で紹介したチェックシートや対策方法を参考に、自分を守るための一歩を踏み出してください。
一人で抱え込まず、物理的・心理的な距離を取る、コミュニケーションを見直す、ストレス発散方法を見つける、そして必要であれば専門家や夫に助けを求めること。これらの行動が、あなたの心身の健康を取り戻し、より快適な生活を送るための第一歩となるはずです。